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座禅のすすめ
禅寺での修行体験。
宗教にも仏教にも特段興味の無い僕がですが、以前泊ったお寺に先日また行ってきました。
前回は20世紀の終わりころ。で、今回ほぼ四半世紀ぶりに行ってとても後悔しました。もっと早く来ておけば良かったと。
今回は6泊7日の禅寺修行。(たかが7日程度で修行と称するのはおこがましいのですが)
ご興味ある方に、ぜひおススメしたいです。
メリット(良かったこと)
◎ 頭の中の断捨離ができた
あれをやりたい、あれもやらなきゃ、あれはやるべき、行く前はそういったことが頭の中にごちゃごちゃあったのですが、やるべきもの、なりゆきに任せて良いもの、やらないものが自分の中で明確になり、頭がシンプルになった。
◎ これまでの習慣をリセットして健康的な生活になった
毎晩の飲酒も、脂っこくて塩分高めな食事も欲しなくなった。まだ帰ってきてから1か月しか経っていないけど、今のところ続いている。
◎ 自分にとって大切なものが何かが明確にわかった
これまで、頭ではわかっていたけど何となく素直に受け入れたくなかったこと。その“何となく”が消えて、大切なものを大切にしようと心から思えるようになった。普通の人にとっては当然のことかもしれないけれど、僕にはできなかったこと。
◎ なぜか幸福感に包まれている
未だに何だかよくわからないけど、あれ以来ず~っと幸福感に満たされている。もちろん、日々不満やストレスはあるし、現状に満足するつもりはないけれど、なぜか幸福。禅寺で座禅しているときから、ニンマリしてしまうほど幸福感に包まれている。
◎ 人との出会いがとても良かった
たまたま僕が行った時だけかわからないけど、和尚さんをはじめお寺の人たちにも、その時の修行者にも、出会えたことに心から感謝している。世代も社会的立場もまったく違う人たちだけど、人として根っこの部分でみんなつながっている感覚が持てた。
◎ 三食美味しかった
お寺だから動物性たんぱく質のない精進料理だし、1泊3,000円って格安な宿泊料(お布施)だから、食事に期待してはいけないって思ったら大間違い。地元の京野菜はどれも美味しいし、健康的な生活と外で汗を流す作業環境もあり、毎食絶品だった。
デメリット(正直、自分の中ではどーでもいいことだけど)
◎ 正座が辛かった
食事のときや、和尚さんのお話を聞く時間は正座をしなければならないのだけど、正座が苦手な僕にはただただ苦行の時間だった。食事はその都度20分くらい。和尚さんの法話は1時間くらい。
◎ 座禅も辛かった
朝から晩まで1日何度も座禅をするけど、足は痛いししびれるし、暇だし、雑念しかないし。ただし、警策(きょうさく、けいさく)と呼ばれる、和尚さんが座禅中に持ち歩く木の棒に叩かれるのは気持ちがいい。知らない人は座禅中に居眠りしている人を叩く棒だと思っているけど、実際には座禅中は足が痛くて眠くなんてならない。それよりも、ずーっと同じ姿勢でいると背中あたりの血の巡りが悪くなってくるので、自らお願いして叩いてもらい、体も頭もシャキッとできる。
◎ スマホを見る時間が限られる
基本、スマホをいじる環境ではないし、タイミングもあまりないので、外部との連絡は多少制限を受ける。こんな時でもないとスマホを手放せないので、スマホ依存の人にとっては良い機会かも。
◎ 修行が辛くて挫折する人もいる
僕が禅寺にいる間に何人もの修行者が来ていたけど、4人に1人の割合で予定の宿泊数より短い滞在日数で修行を切り上げて下山する人がいた。決して本格的な 厳しい修行を強いるお寺ではないし、プロの禅宗のお坊さんになる人の修行に比べれば超ノンビリしているけれど、ダメな人にはダメみたい。
結論
メリット・デメリットで書きましたが、本来それを天秤にかけて判断するようなものではない気がします。正座や座禅はきついけど、それでもそこでの体験に何かあるような気がして行ってみようと思いました。同時期に来られていた修行者の皆さんも同じだったと思います。ご興味ある方におススメします!
データ
座禅のできるお寺は全国にあります。
僕がお世話になったお寺
http://www.zazen.or.jp/index.html
文:田辺 政一 え:きよた ちひろ