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背水の陣

僕の知る限り、日本が好きで日本に住み続けたいと考えている外国人留学生の多くはとても優秀です。もちろん、外国人留学生の方にも色々な方がいます。なかには、経済的に恵まれた方が暇つぶしを兼ねてバカンス気分で留学してくる方もいますが、それはどこの国も同じです。

 

でも、永住を望んでいる外国人留学生は同年代の日本人に比べ、やる気もあるし、考え方もしっかりしているし、反応力がある。下手したら、日本語も上手い。

 

以前から、僕にはこの違いがナゾでした。それは、ただ単に日本人が劣化しているからなのか、それとも日本を離れて海外に住んでいる日本人も現地の人たちより優れているのか。

 

そして先日、僕はガテンがいきました。

 

ある外国籍の方にこの疑問をそのままぶつけてみたのです。

 

彼の答えは「背水の陣( having burnt one’s boats )だから。」

 

日本に適応して、日本に住み続けたいと本気で考える外国人は、この日本で頑張らざるを得ないということ。言葉も通じず、心のよりどころも無く、頼れる人もいないこの国に、自分の心と体の居場所を“0”から作り上げるのですから前向きに生きていかざるを得ないのです。

 

対する日本在住の日本人は、多くの場合実家の親を筆頭に誰かに泣きつけば助けてもらえます。だれもいなくても最後は国や自治体が面倒を見てくれます。

 

要は能力の違いではなく、能力を出すための気概の違いでした。

 

昭和以来、根性論と精神論がごっちゃのまま否定されがちなこの国です。でも、我慢と気概を一緒に考えるような人が増えていくと、日本人が本当に劣化していってしまうのではないかと心配です。

 

まあ、うちのスタジオに限っていえば、大丈夫だと思いますが。

 

って、大丈夫だろうな、ホントに。

 

頼むよ、○○。

 

 

 

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