スタジオから徒歩5分。スタッフのみんなにおススメしたい居酒屋があります。

コスパがいいとか、お酒にこだわっているとか、お洒落とか隠れ家的な店とかではありません。だから、食べログの評価はありませんし、ネットで見たという人はまず来ないお店です。

僕がその店をおススメするワケは、すごい社会勉強ができるから。

例えば、しばらくぶりに顔を出した昨夜はこうでした。

店に入るとカウンターにはすでに白髪の先客がおり、僕はママに促されその方の並びに座りました。店の作りとママの采配は、社会的な立場に関係なく誰にでも平等です。その白髪の方は国会議員の方でした。

で、その議員の方の話が秀逸なのです。話しが上手いというだけでなく、何か人を惹きつけるものがあります。中でも、一番腹に落ちた話は僕が「国会ってオンラインでやらないんですか？」と聞いたときの話でした。

「それができないんですねー。その場に参加する人たちで作られる空気ってものがとても重要なんです。その中で議論の行方が決まっていくという部分がありますからね。ヤジもね、場の空気を作る上では大切なんですよ。まずはその場を読めていないとヤジも生きませんから。メディアの方からはヤジがけしからんとお叱りを受けますが・・・」

それまで、僕がオンラインって便利だけど万能ではないって感じてきた理由はこれでした。空気を共有するからこそ伝わるものがあり、だからこそコンセンサスが得られる。べつにオンラインミーティングでヤジを飛ばしたいわけではありません。

その後、僕より一回りほどご年配の議員先生は、アニメのエヴァンゲリオンがいかに優れた作品なのかをひとしきり力説し、その後自分の家に入れたキャンプ用の小さな薪ストーブで焼く焼き芋が美味しいって話を楽しそうに語られていました。

想えば、この店で僕がこれまでご一緒させて頂いた方は、覚えているだけでもアニソンで有名な歌手の方、某大学の学長、民放キー局のアナウンサー、プロ野球選手、大学教授、キャリア官僚、弁護士、会計士、教えてくれないけれどたぶん自衛隊のたぶんとても偉い人、写真家、その他各界でご活躍のプロフェッショナルな面々。皆さん常連なので、何度も顔を合わせます。増してや気さくな距離で肩を並べて話ができるなんて、そうそう簡単に味わえることではありません。

しかも、気になる料金はスタッフのみんなくらいの年齢であれば超庶民的です。なぜなら、この店特有の仕組みがありますから。その仕組みとは、ママの裁量で取れる人からたくさん取るので、取れない人は安く済む画期的なシステムのおかげ。高く支払える方はママに自尊心をくすぐられて多めに払わされるので、その分若い方はとてもリーズナブルで済むのです。

興味を持ったスタッフの方は僕に聞いて頂ければお店の場所と名前をお教えします。一見で行きにくいなら、僕も一緒に行ってママに紹介します。ただし、僕はママからみたら取れない人なので、行ったその日は二人で取れる人が来てくれることを祈りましょう。