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「ありがとう」の効能
この話をすると、みんな「へー、そーなんだ。」と感心してくれます。でも、その後「試してみたら本当にそうだった!」って報告をしてくれた人は、これまで誰もいません。みんな、信じられないから試していないのだと思います。でも、本当にそーなんだから、そーなのです。
僕はヒゲを剃るのに、T字のカミソリを使っています。そのT字のカミソリは、ある程度使用すると替え刃を交換しなければならなくなります。徐々に切れが悪くなっていき、つっかかる感じがして剃り跡が痛くなるようになってくるためです。
そのカミソリの寿命の延ばし方があるのです。
それは、ちょっと切れが悪くなってきたカミソリに向かって、心をこめて「いつも、ありがとう」と声を出して言うのです。恥ずかしがらず、素直に声を出して。それだけで、それまでの突っかかりがウソのようにスムーズな剃り心地になるのです。
なぜだかはわかりませんが、そーなるんだからそーなんです。
別に僕に超能力があるわけではありません。使っている髭剃りはドラッグストアで売っている一般的なものです。でも、こちらが心から感謝の気持ちを口にすると、確かに切れ味が良くなるのです。
これは思うに、感謝の気持ちを口にするという行為それ自体が、自分自身の細胞を和やかにするということではないでしょうか。髭の毛根組織や皮膚細胞の無駄な緊張(こわばり)が解けることで、無機的なカミソリに対してしなやかになり、切れ味が良くなったと感じるのです。
きっと、感謝の気持ちを口にする行為って、その相手へのリスペクトもさることながら、自分自身の心身にも良い影響を与えているのです。
今の自分には、心から「ありがとう」と言っている余裕なんて無いって人も、積極的に人に感謝を込めて「ありがとう」と言うようにしていれば、自ずと余裕が湧いてくるかもしれません。
ただ、問題はうちの奥さんです。ただでさえキレッキレなうちの奥さんですから。うかつに僕が「いつも、ありがとう」なんて言って、あれ以上切れ味鋭くなってしまったら、僕はヒゲどころか肉や骨まで切られてしまいそうです。
ウソです。いつもありがとう。