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がんばれ!ショートカッター

ショートカット・ニーズ

最近、写真に興味を持ち始めてまだ日の浅い方が、いきなりスタジオの面接に来るというケースが増えています。聞けば、一刻も早く現場で学びたかったとか。写真はまだiPhoneでしか撮ったことがないのですが、と正直におっしゃいます。

一流の環境でプロの技術を短期間に学べるとうたうスクールも増えてきました。知識や技術を得るための時間や手間を高額な授業料を支払うことでショートカットしたいというニーズが増加傾向にあることは間違いありません。

実現する人としない人の違い

ところで、僕は将来フォトグラファーになりたいという方と会って少しお話をすれば、その人がなる人かならない人かがわかります。別に自分の眼力を自慢したいわけではありません。たまにハズレますし。

フォトグラファーに限らない話だと思うのです。その道をやがて実現する人には特有の何かがあるので、凡庸な僕ですら見抜くことができるのです。

べつに、それはマニアックな機材知識を持っているとか、本人史上最高の熱い想いがあるというようなわかりやすいものではありません。

強いていえば、「悟りの境地」とか「肝の座った覚悟」といえるようなものです。

なぜなら、フォトグラファーにならない人の多くは、不安要素におののきそれを大事に温め、自分が諦める時の言い訳に使います。そもそもなる人は、不安要素をToDoリストにして1つ1つ潰していくのにです。

結局ならない人は、挫折や失敗を恐れ、それを機に消えていきます。なる人は挫折や失敗を自分が一皮むける良いきっかけとして喜んで乗り切るのにです。

そういった悟りとか覚悟って、極個人的時間の中でワクワクのめり込みながら徐々に熟成されていくものです。やがてその行為が自分のアイデンティティを構成する要素の一つと言えるほど大きな存在になって初めて、その道で生きていくことが自分自身のスタンダードになるのです。

極個人的時間の中でワクワクのめり込みながら徐々に熟成されるもの

僕が37年間この業界を見てきた限り、ショートカットから得られるものは「ショートカットではダメだという学び」以外にありません。ショートカットでは、極個人的時間の中でワクワクのめり込みながら徐々に熟成されていくものを得ることなんて到底無理だからです。

「極個人的時間の中でワクワクのめり込みながら徐々に熟成」があれば、わざわざ学校に行かなくても、アシスタントとして人に使われなくてもいいわけです。現に、写真系の学校も、スタジオもアシスタントも経ずにフォトグラファーとして活躍されている方は大勢いますから。

ただ、今も昔も、学生としての数年や撮影現場での時間は、極個人的時間の中でワクワクのめり込むことに最適な環境です。もちろん、学校は親のスネで無為に過ごしてしまうワナに注意が必要ですし、現場は忙しさのあまり自分を見失ってしまうパターンに陥らないようにしなければなりませんが。

頑張れショートカット

カメラマンという職業がほとんど男性だった時代、それを目指すきっかけの多くは女の子にモテたいとか、カメラマンってカッコ良さげだからというような軽薄で不埒な理由が多勢でした。しょせん不埒なので、大半の人は瞬く間に消えていきました。それでも、中にはうまい具合に噛み合い、深入りして結果フォトグラファーになったという人がいたのも確かです。

今でいえば、YouTuberに憧れ、YouTuberを目指す人の大半が思うようにフォロワーが伸びずに諦めていくのと同じ状態です。その中のごく一部の人が本物となっていくのです。

その事実を考えれば、「ショートカット」を皮切りにこの世界に本気でのめり込んでくる人もいるに違いありません。事実、高額スクール卒業後、スタジオスタッフの面接に来る方は少なくありませんし。

だから「ショートカット」大歓迎。頑張れショートカッター!

ショートカットではダメだって学んだら、来てね。

 

 

 

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