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恋愛カメラマン
スタッフの成長
スタッフのAくん。彼のこの1年の成長に目を細める僕です。昨年のクリスマスのころは見るも無残でしたから。それが今年は頼もしくてカッコいい彼なのです。
仕事の話ではありません。
彼の恋愛に関すること。
ただ、それってひいてはカメラマンが撮影依頼を受けることにも通じるものだと思います。
Aくんは昨年のクリスマス前、当時一方的に好きだった女性に告って、あえなく撃沈。
たぶん、彼はその失敗から学んだのだと思います。勝負事の多くはスタートする前に大勢がほぼ決まっているということを。
今年は新しい彼女とラブラブなクリスマスを迎えた模様です。
撮影依頼
仮に「好きな人」を「カメラマンに撮影を依頼する制作担当者」だとします。デザイナーとか、アートディレクターとか編集者といった方々です。
その制作担当者に、ある日よく知らないカメラマンがアポを取ってきました。で、当日それなりにプロらしいクオリティーのブックを見せてくれました。
でも、制作担当者にはすでにいつもお願いしているカメラマンがいます。その現状にタイミング良く困っていない限り、わざわざよく知らないカメラマンに大事な撮影案件を任せる気にはなりにくいものです。
よほどそのカメラマンにビビっと来る何かを感じれば別ですが。
その結果、カメラマンからすればせっかく奮起して営業に行ったのに、制作担当者はつれなかった。そんな話はこの業界のそこらじゅうに転がっています。
今年のスタッフAくんの勝因は、事を急がず、彼女のハートや信頼を時間かけて少しずつ増やしていったから。やがてお互い意気投合していることをわかり合っている中でも告ったのは、Aくんなりのケジメみたいなものだと思います。
インスタ
「そんなんゆーても今どきカメラマンはインスタで仕事来るんとちゃいますかー」
そんなスタッフの心の声が聞こえてきました。
確かにWEB系とか一部の雑誌では、インスタで仕事依頼が来ることが普通です。
ただ、インスタってカメラマンカタログのようなもの。便利ツールではあっても、それ以上のものではありません。
恋愛でいえばマッチングアプリ。実際に会ってみて気持ちや体が合うかどうか決めるのは、アプリではなく二人次第です。
インスタから撮影依頼が来ることを待ち望んでいるカメラマン志望の方はご注意ください。
カメラマンを探す制作担当者は、ビビっとくるお気に入りに出会えるまで右スワイプし続けているかもしれません。
恋人でもないカメラマンは「インスタ見るのやめてよ」と嫉妬するわけにはいきませんから。
文:田辺 政一 え:きよた ちひろ