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バイトと同じじゃダメなわけ
毎年、新卒入社の方の多くが、就職経験を持たずに入社してきます。それまでに経験した仕事といえば、アルバイトくらいという方がほとんどです。
僕には、以前から学校で教えるべきだと思っていることがあります。それは「仕事とは」ってことについて。僕が知る限り、授業の合間に先生が語る言葉はあっても、カリキュラムとして教えることはないようです。
そのせいか、正社員として入社したのにアルバイトさん的なスタンスで仕事をとらえ、伸び悩んでしまう人がいます。バイトも仕事といえば仕事ですが、この業界ではアルバイトさん的スタンスで仕事をしている限り、より大きな仕事を任されるポジションがその人に来ることはありません。
別にアルバイトを一生懸命やっている方にケチをつけるという話ではありません。ただ、自分の時間を切り売りし、その対価をもらうスタンスのままでは、より大きなチャンスは来ないということなのです。
では、どう考えれば良いのか?
答えは、仕事で得られる報酬を「自分が奉仕した時間に対する対価」ととらえるのではなく、「責任を取ることに対する対価」と考えるべきなのです。
「決められた時間内は、与えられた仕事をしっかりこなす。」とか、「今日はお客さんも少なくて、楽だったから良かった。」とか、「仕事中だけど、上司や先輩がいなかったからノンビリできてラッキー。」とか。これは、英語で言うところのパートタイマー、ドイツ語で言うアルバイト的スタンス。
それに対し、「責任を取る」とは、「フォトグラファーさんから事前にもらっていたイメージ通りのライティングにするにはどうすればベストか。昨日、自分の仕事が終わった後、残ってライトテストをしてかなりイメージに近づくことができた。結果的にフォトグラファーさんは、そのライティングをそのまま採用してくださり、クライアントさんも喜んでいた。」ということです。
逆に、「責任を取らない」とは、「フォトグラファーさんが事前にイメージを送ってきていたのは知っていたけど、よくわからなかったので、撮影当日フォトグラファーさんの指示を待った。もちろん、指示されたことはきっちりマジメにこなした。」ということです。
昭和の頃なら、後者の「責任を取らない」人は、フォトグラファーから怒鳴られました。「事前にイメージを送っておいたってことは、前もってライトを近い感じにしておけってことだろ(怒)! 何もしておく必要がないなら、事前に送るか!このボケ!!」
でも、平成も残すところ1,2年の現代、スタジオスタッフを怒ってくれるフォトグラファーはほとんどいません。皆さん、心の中で「今日のスタジオマンは残念。ま、いいけど。」と思うだけです。
与えられたポジションでしっかり責任を果たすから、あなたに期待している人はあなたを信頼するようになります。時給の出る範囲でしか働かない人に何かを期待しても、時給の出る範囲でしか何とかしてくれませんから。
信頼って、あの人に任せておけば絶対何とかしてくれるから大丈夫ってことです。
どんな仕事でも、どのレベルでも、あなたにチャンスを与えてくれる立場の人は、あなたが信頼に足る人間かどうかを見ているのです。