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Golden generation
【黄金世代】
フォトグラファー輩出率が高いこのスタジオの歴史の中でも、格段に高くフォトグラファーが集中している世代がいます。仮にその世代を黄金世代と呼ぶことにします。
幾度かあったその黄金世代のムーブメント。それはいつも、一人をきっかけに、まわりが良きライバルとして呼応したことから始まりました。
きっかけとなる一人は、「天才」とか「特別な偉才」とは限りません。むしろ、重要なのは周りの人がそのきっかけに呼応するかどうかという部分です。
【Nくん】
新人だった頃のNくんが撮る写真。正直、僕には何だかよくわかりませんでした。
そのNくんが、スタジオ内で中堅と言われるようになった頃から、頻繁に作品撮りをするようになります。スタジオに来られる現役のフォトグラファーから、Nくんのインスタにお褒めのコメントが寄せられたのはその頃です。
そのNくんも、スタジオ入社から間もなく2年。今では、節穴の目の僕ですら、いい!と思える作品をコンスタントに上げてくるようになりました。もちろん、プロとしてやっていくには、まだ一皮も二皮もむけていかなければならないと思いますが。
それでも、最近はSNS経由で彼への撮影依頼が頻繁に来るようになったとのこと。先週末も今週末も、その次の週も、彼の休日はその撮影依頼をこなす日々です。
【するとなかには】
撮影スタジオに勤めていると、一線で活躍されているフォトグラファーの超カッコいい撮影を間近で見ることができ、その撮影現場に携わることができます。するとなかには、自分にもそのクオリティーの写真が撮れると勘違いしそこで満足してしまう人がいます。
ライティングを学びたいと思った人がスタジオに入社すれば、プロと同じ機材やそれを学び試せる環境を手に入れることができます。するとなかには、やっぱりスタジオの照明より自然光が好きだから、太陽の光で撮影したいと思いスタジオでは撮影しない人がいます。
写真作家を目指しているという方がいます。するとなかには、上手いとか下手だとかという土俵で作品を語ることなく、だからと言って良い作品かどうかという判断を誰かに求めることもなく、時間の経過とともに無力感に苛まれていく人がいます。
【大いに秘める可能性】
四半世紀のスタジオマネージャー歴の中で僕が見てきた、「やがてフォトグラファーを実現する人たち」は、みんな何かに対峙し、しっかりそれに向き合っていた人たちでした。何を目指そうと、どこに向かおうと関係ありません。
スタジオスタッフは、将来の商売敵という意味でみんなライバルです。でもそれは、相手の足を引っ張るなどという器の小さなことではなく、「どれだけ頑張るか」という部分でのライバルであるべきです。
「あいつはあいつ。自分とは違う。」と都合よく個性に逃げるのではなく、一人ひとりが「Nがあそこまでやるなら、自分はここまでやってやる!」ってステージで争えば、この世代も黄金世代となる可能性を大いに秘めること間違いないのです。