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金縛りについて

「金縛り」をググってみたら、医学的な解説がずら~っと出てきました。今どき、「金縛り」が霊的な現象ではないことはもはや常識なんですね。知りませんでした。

 

ところで、以前僕がまだスタジオに電車で通っていた頃の話です。

 

その日、僕は終電を逃してスタジオに泊まらざるを得なくなりました。でも、寝心地の良いベッドはスタッフに先に占領されていたので、仕方なく僕は○stのメイクルームで寝ることにしました。

 

カポックという発砲スチロールでできた畳大のものを床に敷き、寝についていくばくか後。体は動かなかったので、医学用語で言うところのレム睡眠状態でした。

 

僕の頭上右手側、開けっ放しにしていたメイクルームのドアのほうに誰かの気配がし、と、思っていたら、その気配が近づいてきてグゥ~っと僕を苦しめ出します。

 

「やべぇ、金縛りだ」と思い、脳と体をつなぐ神経を起動させるべく必死に「起きろ!起きろ!」と念じました。

それまでの経験から、僕は体が起きれば金縛りが止むことはわかっていました。だから、その日も体の神経をつないで金縛り状態を脱したのです。

 

でも、また同じ姿勢で寝てしまうと、金縛りモードに入りやすいこともわかていたので、僕は姿勢を仰向けから横向きに変えて再度眠りにつきました。

 

すると、またドアのほうからあの気配が来て僕を苦しめだすのです。またかよと思いつつ、再度頭と体をつなぎました。で、これ以上金縛りになるのも嫌だったので、僕は枕の向きを逆にして、さっきとは反対の横向きで寝につきました。

 

しかし、今度は足元のドアから嫌な気配がして、またもや僕を苦しめだすのです。

 

「このやろう、しつこいヤツだな~」と思いましたが、ふと気付きました。

 

この人、いつもこのメイクルームで寝ているのかと。

 

それを僕が取ってしまっていたので、怒っているのではないかと。

 

そこで、僕はカポックをメイクルームから出し、スタジオの真ん中に持っていきました。で、メイクルームの方に向かって「ごめん」と言い、改めて寝につきました。

 

今度は誰にも起こされることなく、朝までゆっくり寝ることができました。

 

 

彼も困ったことでしょう。いつもの寝場所を僕が勝手に占領していたわけですから。

 

しかも、寝ているのは聞く耳は持たないし、気も利かない鈍感なヤツ(僕)です。彼からすれば仕方なく僕の生理現象に訴えるしかなかったのです。

 

「金縛り」とは、科学的に解明された睡眠時における生理現象です。今どき、金縛りをオカルト現象だと言っていたら笑われちゃいます。皆さんもご注意ください。

 

 

 

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