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成長痛
僕のいるスタジオに限らず、この春より新卒入社を予定されている方へ、仕事に対する考え方の提案があります。仕事を通して将来の自分を実現するというスタンスの方にとって、これはとても大切なことだと思います。
アルバイト的なスタンスで自分の時間を切り売りするのは、学生までで充分、もう終わりにしましょう。これからは、自身の器を大きくし、視野を広げ、深い洞察を得ることを目的に、『仕事』と関わっていくことを主眼にしていくべきです。
学生の頃にやっていたバイトに求められる能力は『忍耐』でした。楽しいバイトも、割のいいバイトも、超ラクなバイトですらも、アルバイトさんは自分の大切な時間を雇用主に提供することと交換にお金を得ていました。
『忍耐』は、人生に残された時間を浪費していることに目をつぶり、心や感覚を鈍感にし、得られるお金だけを楽しみにすることで、楽に続けることができます。僕に言わせて頂ければ、そんなものは「場慣れ」でしかありません。
では、正社員として求められる能力は何なのか? それを僕は『成長』だと考えます。
仮にアルバイトさんや契約社員さんに、会社から正社員への誘いがあるとすれば、それはその方の『忍耐』ではなく、『成長』しようとする姿勢が買われてのことだと思うのです。
もちろん、正社員が『忍耐』を求められないわけではありません。でも、学生の頃のバイトと同じ感覚で、仕事の目的を『忍耐』にしてしまっては、いつまでも『成長』できません。
それでは、『成長』するためには何が必要か? それが『葛藤』です。
「一生懸命やっているつもりの自分」と、「なかなか自分の仕事っぷりを認めてもらえない現状」との『葛藤』。「マジメに取り組む自分」と、「やりがいを見出せない自分」との『葛藤』。これらの試行錯誤の先にこそ『成長』はあるのです。
あなた自身はその葛藤を経て、報告、連絡、相談、コミュニケーション、スキルアップ、タイミング、姿勢、事前準備の大切さ、写真の奥深さ、やりがいなどへの気付きや学びを得るはずです。それは教科書やインターネットから得られるような単なる知識と違い、必要性を痛感することで生まれる、あなたの新たな行動基準となるものです。
写真家だって同じだと思います。「自分がこだわりたい表現」と、「周りからの評価」との葛藤。僕の知る写真作家は、自身の作品のことだけに留まらず、その展開の仕方、自身のスタンス、売り込み方など、感心するほど色々なことを考え、考えうる限りの行動をしています。彼の成功の全ては試行錯誤の結果といっても間違いないと思います。
物事に真剣に取り組んでいれば『葛藤』にさいなまれるのは当然です。逆に言えば、『葛藤』に苦しんでいるのなら、成長に向かって正しい方向にある証拠といっていいと思います。
ある程度の時間が過ぎないとわからないことですが、『成長』をすれば以前葛藤していたことなど、たわいもなく幼稚なことと思えるようになります。それは自分が以前よりも一回りも二回りも大きくなれたからなのです。
新卒入社を予定している方々には、ぜひその日が必ず来ることを信じて、『成長痛』に立ち向かっていって欲しいです。あなたの忍耐ではなく、あなたの成長を応援しています。
#スタジオ