• コラム

利き顔ライト

はじめに

プロのカメラマンには知る人ぞ知る撮影テクニックがあります。

 

そんなナゾの一つに、先日「あれ? これってそーじゃね?」っと思い当たり、スタッフみんなで仮説立てつつ実証実験してみました。すると、あっさり大発見、スッキリ㊙テクニックのナゾの一つが解けました。

 

モデルさんに当てるライト、正面以外ならどこから当てればモデルさんがより素敵に写るのか。その答えがわかったのです。

 

これ、撮る人も撮られる人も、覚えておくと良いと思います。

 

 

リングライト

インスタグラマーやYouTuberがよく使うライトにリングライトというものがあります。カワイくキレイに撮ることに適したライティングです。(写真は“リング”ではありません)

 

それに対しモデルさんの右上からとか、左上から当てるライティングがあります。リングライトなど正面からのライトに比べて、キリっとカッコ良くとか、いい人っぽくとか、りりしく誠実そうに撮れるライティングです。

 

ただ、このライティング、ライトの位置によって写真の印象が大きく変わってしまう取扱いの面倒なものなのです。だから、人物撮影に興味のある人しか、あまり手を出さないライティングでした。

 

 

利き顔

“利き顔”という言葉があります。左右の顔を比べ、より自分好みの方を“利き顔”といいいます。この利き顔、インスタやTikTokなどの影響もあり、自分の顔のどちらがそれかご存知の方も多いと思います。

 

ちなみに、その見分け方としてよくネットでも紹介されているのは、鏡を正面に見ながらニコッと笑ってみて口角が高く上がった方が利き顔という調べ方。

 

僕、おススメの調べ方は、部屋の照明に顔とカラダを真っすぐ向け、そのまま自分の顔を正面から自撮りします。その画像の右左どちらかを交互に覆ってみて左右の自分の顔を見比べてみる。好みの顔の方が利き顔です。

 

 

利き顔ライト

今回、僕らが発見したライト。㊙だっただけあって、名前がないようなので「利き顔ライト」と呼ぶことにします。

 

で、タネ明かしです。

 

利き顔ライトとは、モデルさんに対してライトを左右どちらかから当てる場合、モデルさんの利き顔の反対側からライトを当てることをいいます。またはその考え方をいいます。

 

ちょっと専門的な言葉で言うと、利き顔がシャドー側になるようにライトを当てる方法です。そうすることでモデルさんをよりキレイに(カッコ良く)撮ることができます。

 

撮られるモデルさんからいえば、自分の利き顔の反対側からライトを当ててもらったほうが写りの良い写真が撮れるということ。例えば自分の利き顔が左だとしたら、照明はモデルである自分からみてカメラよりも右側にあるべきです。

 

もちろん、その撮影が広告や雑誌の撮影などの“仕事”であれば、グラフィックイメージ上の事情が優先されて、モデルさん自身の利き顔は二の次になってしまうこともあります。でも、そういった事情がなくライトの位置に特段理由もないのなら、この利き顔ライトが断然おススメです。

 

○ 正面顔の撮影に適したライトです

○ 左右の明るさに差のある男性的イメージのライティングでその効果がより際立ちます

○ プロのメイクさんの魔法があれば、ライトの効果は薄くなります

 

と、いうことは男子のプロフィールや就活用の写真は利き顔ライトが効果的です。写真を撮る方はもちろん、撮られる方も覚えておいて損はないと思います。

利き顔ライト。願わくば、いつかどこかのだれかから「余計なこと言いやがって!」ってお叱り頂きたいです。それこそが、この利き顔ライトが核心を突いていたってことの証明になりますから。

 

どなたか、僕を叱ってください。。。

 

 

文:田辺 政一  え:きよた ちひろ

コラム一覧に戻る