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写ルンです

先日、久しぶりにiPhone以外のカメラで写真を撮ろうと思い立ちました。知り合いが企画した小さな写真コンテストのテーマが面白そうなので、自分も参加してみたくなったから。

 

で、どう撮ろうかイメージ固めて、決めたカメラが「写ルンです」。

 

その理由は二つ。

一つは、フィルム特有の粒状感。それと、露出がアンダーだったときのモヤっと薄っぺらい感じが欲しかったから。

 

昔、僕がカメラマンだったころ、ネガフィルムの露出は(最)適か、転ぶならオーバー側(光量過多)にするのが鉄則でした。間違ってもアンダー側(光量過少)にはならないように注意したものです。アンダーにしてしまうとフィルムの特性上プリントがモヤっと薄っぺらい感じになってしまい、取り返しのつかないことになってしまうから。

 

でも、不思議なものです。最近そういった画像をめっきり目にしなくなったので、懐かしくなってモヤっとさせたくなりました。

 

 

二つ目は、「写ルンです」だと真っ暗闇の中に人物だけが真っ白に浮き立つ昔懐かしい写真が撮れるから。今どきのスマホのカメラでは頭良すぎて写せませんが、「写ルンです」であれば付いてるストロボと、室内撮影には適さない1/140という早いシャッタースピードのおかげでそれが可能となるのです。

 

当時のフィルムカメラの多くは、スマホのような賢い機能がなかったり、あってもその機能を使うための設定方法が面倒臭くてわからなかったりで、夜の写真は決まって背景が真っ暗、ストロボの当たった人物だけが明るく飛び気味に写るのが普通でした。

 

これも不思議なものです。当時は僕もプロの端くれとしてスローシンクロ(というテクニック?)や別のライトを使って背景もしっかり自然に出すことにこだわったものです。でも、今は逆に背景が真っ暗な写真が新鮮に思えてしまいます。

 

 

それに、正直言うと「写るんです」にした理由はもう一つあります。

 

それは、最近このカメラを目にすることもあまりないので、面白いかなと思いまして。気合の入った一眼レフのフィルムカメラでも、こだわりのコンパクトなフィルムカメラでもなくて。当日、居合わせた一定以上の皆さんからは「懐かしー」とか「まだ、売ってるんだ!」と感激されました。一定未満の方からは「なにコレ、萌る~」と。

 

ちなみにフィルム巻くときのカリっカリっカリって音も、子気味良くてカワイイです。

 

「写ルンです」(🔗価格.com

27枚撮りで最安値¥1,800(執筆時)、これに現像代(数百円~千円くらい)がプラスされます。頼めばCDにデータを落としてくれるので、それも便利です。

 

 

 

写真家やフォトグラファーになりたいと思っている人の中には、普段からフィルムカメラで写真を撮っているという方が少なくありません。

 

そのメリット・デメリットについてのうんちくを書こうと思って、考えを巡らせていたら、フィルム、しかも「写ルンです」の魅力だけで大量な文字数になってしまいました。それでもフィルムカメラの魅力はまだ書き足りません。そして、大きな落とし穴についても。

 

まあ、仕方ない。メリット・デメリットについてはまた別の機会に書きます。

 

 

 

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