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モデルがダメだと写真もダメ

モデル撮影を重ね、作品をインスタにアップ。そのうち、雑誌社やブランドからの撮影依頼が来ることを願いつつ日々精進。

 

昨年、スタッフの身近な先輩OBがこのコンセプトでフォトグラファーデビューして、今や飛ぶ鳥落とす勢いです。だから、それを目の当たりしている現役スタッフがみんな彼と同じやり方で上を狙おうとするその気持ちはわかります。

 

ただ、そのモデルでホントに大丈夫なのか、何名かのスタッフは大いに考えるべきだと思います。

 

インスタで声をかけてタダで撮らせてくれるモデルをみつけた?そんなモデルさんを撮っていてもお金がもらえるカメラマンになれませんぜ姉御~。

 

自分はまだそこまでのレベルに無い? だからダメなんですぜ、アニキ~。

作品の仕上がりにおいて、被写体とカメラマンはレバレッジ(てこの原理)の関係にあります。だから、これからカメラマンとして人物撮影で売り出そうと考えている人は、作品に使う被写体を安易に決めてはいけないのです。

 

わかりやすく説明するために被写体の魅力や知名度・カリスマ度を10倍ずつの5段階評価にします。

それに対し、カメラマンの写真力やプロデュース力も10倍ずつの5段階評価です。

普通の人を素人が撮れば、1×1でその作品のパワーは“1”です。

 

超カリスマを写真の神が撮れば、10,000×10,000で作品のパワーは100,000,000となります。

 

あくまでも感覚的な基準ですが、この数値基準でいえばカメラマンに仕事を託す側(クライアント)は10,000を超えた作品がコンスタントにインスタ内に並んでいないとその人に大事な撮影を託す気になりません。

 

だからハイアマチュアの域を出ていない人10はフツーにキレイとかカッコいい程度の被写体100ではなく、プロとしてやっていけるだけの需要が実際にあるモデル1,000を使わないとダメなのです。

 

フツーにキレイな人 100×101,000

 

プロのモデル    1,000×1010,000

 

 

 

また、モデルの選択による影響は写真のパワーだけではありません。カメラマンに仕事を託す側は作品に写る被写体をブランドとして見る傾向があります。

 

え?このカメラマン、こんなスゴイ人も撮っているってことは信頼できそう ⇒ 高評価

 

誰?このモデル。友達?なんなんこの人?イミフー ⇒ 低評価または理解不能

だから、本気でカメラマンになるつもりなら自称モデルではなく事務所所属のモデルから選りすぐりの人を使うべきなのです。

 

自分はまだそこまでのレベルに無い?

 

カメラマンは2段式の打ち上げロケットです。アマチュアの間が1段目のロケット燃焼。プロとして仕事をもらって仕事を通して学ぶことや吸収できることで2段目のロケットが燃焼、ますます上昇します。無事、大気圏を出られれば安定のフォトグラファー生活が待っています。

 

1段目のロケットがショボショボでは大気圏離脱どころか2段目ロケットの燃焼すらできません。

 

一生、素人を撮り続けるならそれで構いませんが、それではスタジオに居る意味ないのとちゃいますか、アーニーキっ。

 

 

文:田辺 政一  え:きよた ちひろ

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