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ハートに火をつけろ

この時期、来春からこの業界で第一歩を踏み出そうとする学生の方の就活が盛んです。

 

ただ、僕が毎年感じることなのですが、将来フォトグラファーになりたいと考える方が、一般の企業に勤めようとする方と同じような選択基準で、就活に挑むことに違和感を覚えます。

マジメな学生であればあるほど、その傾向が強いようです。

 

正直、もったいない話です。

 

だって、結局のところ、この業界で生き残っていけるかどうかって、自分次第です。

はっきり言って、誰もが知る一流の企業だけから有名なフォトグラファーが多く輩出されているわけではありません。

逆に僕のいるスタジオよりも小さな規模のプロダクションやスタジオを経て、業界内に名を轟かせているフォトグラファーだって大勢いるのです。あまり知られていないだけで。

 

それにも関わらず、「待遇、知名度、経営規模やブランド力」を基準に就職先を選ぶのって、それでいいの?って思ってしまいます。

まあ、聞けば、他に情報が無いからというやむを得ない事情もあるらしいのですが。

繰り返しますが、この業界で活躍できるようになれるかどうかって、自分次第です。どこに勤めようが、どれだけの年月勤め続けようが、自分のハートに火が点いている人だけが生き残ります。

自分のハートに火が点いているから、人より恵まれた境遇や環境に牙を抜かれ、ぬるま湯に浸かってフニャフニャなまま年を取っていくことはありません。

火が点いているから、自分の置かれた環境や境遇をグチることで、何もしない自分の言い訳をボタボタ垂れ流すこともありません。

 

 

ところで、僕の知っている方に、昔、居酒屋さんでバイトをしていた人がいます。

それまで写真系の学校に行ったこともなく、写真は面白そうだけど、何をどうすればいいのかもわからなかったそうです。

 

ただ、店のお客さんにカメラマンだという方がおり、その人から話を聞いているうちに、自分もカメラマンになりたいと思うようになりました。

で、その時アシスタントを募集していた別のカメラマンに就くこと数年。

今では年収、数千万円の人気フォトグラファーです。

本来ならば、学校やスタジオは、より上のステージに上がるためにあるべき存在です。

でも、何も知らない人のほうがリスクを負えるなら、学校やスタジオなんていらないはずです。

今、多くの若い方が勘違いしていることです。

 

学校やスタジオはこざかしい知識を得るためにあるのではありません。

だって、ちょこざいに器用で上手な写真を見て「小さ!」と感じるのは僕だけではないはずですから。

 

 

別に、命を賭けろ!とは言いません。でも、やがては人生を賭けるくらいの覚悟が出来ないと、いい写真って撮れるようにはなれません。

学校やスタジオは、人のハートに火をつけるために存在します。

そして、つけるのは、他の誰でもなくその人自身です。

 

あなたに熱いものがあれば、の話ですが。

 

 

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