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スタジオの選び方
昨年暮れのイベントでお会いした方が打ち明けてくれました。
「今、(他社)スタジオにいるんですけど、そこに入ってから外苑(スタジオ)を知って、いろいろ聞いたり調べたりして外苑のほうが自分に合っているんじゃないかって思うようになって・・・今のスタジオ辞めて外苑に入るべきか考えていますw」
そう聞いた僕は、色気もなくバカ正直に答えました。
「スタジオって学ぶ環境という意味ではどこも同じです。結局カメラマンに成れるか成れないかは自分次第。成れる人はどこ行ってもなれるし、成らない人はどこに行ってもなりませんから」
内心では、「だったら、ぜひ外苑へ!」と言うことがスタジオマネージャーの正解なんじゃない?と自問自答していましたが。
ただ、それより大切なお伝えしたいことがあったのです。でも、その時は自分の中でうまく言葉にできず、もどかしい思いが頭の中に引っかかったまま。それが何だったのか、自分の中ではっきり見えたときには年も明けていました。
本気でカメラマンに成りたいと考える人がスタジオを選ぶなら、何より重視するべきことはそこで働くスタッフの雰囲気です。
なぜなら、そのスタジオの風や空気を作るのは設備や規模、客層や伝統ではありません。入社後一緒に働くことになる現場のスタッフです。
そのスタジオのスタッフが、スタジオワークだけでなく、写真のことも、自分がカメラマンになることに対しても、前向きに楽しく考えている人たちなのか。それともスタジオマンが辛いって理由でくすんでしまっているのか。はたまたカメラマンに成るか成らないかなんて個人の自由でいんじゃね?知らんけど、ってスタンスなのか。
いくら自分次第、成る人はなるし成らない人はならないと言っても、自分の周りを彩る人たちですから。
目指す分野は違っても、みんながカメラマンとなる方向を見据えて前向きに明るく頑張っているのか、みんな重たくうつむいてしまっているのか、てんでバラバラなのか。その影響は少なからずあること間違いありません。
スタジオでライティングを学んでいる方ならご存知だと思います。
まわりの色って明るい部分にはそれほど影響を与えませんが、シャドー部には乗ってくるものです。自分の周りを彩る人の色も同じ。自分には意識できませんが、無意識(シャドー部)に色づいている可能性は大いにあります。
そんなの構わない、オレはおれ(私はわたし)というなら、それで良し。気になるのなら、スタッフの雰囲気を実際に見てみて自分が染まるかもしれない色として許せるか見極めることをおススメします。
それに比べたら、僕のようなスタジオマネージャーや経営者の言うことなんか真に受けなくて全然OK。どうせ自社に都合の良いことしか言いませんから。
って、正直書いたら、この記事自体うさん臭いって話になってしまうんですけど。
文:田辺 政一 え:きよた ちひろ