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もっと魅せろ

30年来の大御所で未だ現役バリバリなフォトグラファー氏が言っていました。

 

「僕は、ただただカメラマンになりたかったの。カメラマンになることだけ必死に考えていたよ。君たちも本当になりたいの? 本当ならなれるよ。」

 

将来、僕のいるスタジオのスタッフがカメラマン(フォトグラファー・写真家)としてやっていけるかどうか。それは、僕の最重要課題です。

 

もちろん、写真が上手いってことはとても大切な要素です。でも、それだけではないってことも業界内ではよく言われること。

 

例えばコミュニケーション能力だったり、運だったり。大御所も言う通り、どれも自分がカメラマンとしてやっていきたいと本気で真剣に考え望めば、自ずと必要性を強く感じるようになってくるものです。

そんな要素の一つに、見せ方・見られ方というものがあります。

 

作品の見せ方はもちろんのこと、これまでの実績や自分のプロフィールなどをどう見せるか。ターゲットとなるクライアントにそれはどう見られるのか。

 

インスタならまだしも、ホームページ(個人サイト)を作るなら、写真だけでなくサイトのデザインからもその人のセンスが見られます。また、サイトの更新頻度から、仕事をどの程度している人なのかを想像されてしまいます。

 

昨年、師匠から独立しフォトグラファーデビューしたスタジオOBは、スタイリストさんや編集さんから服装への無頓着さを事あるごとにとがめられ発奮、フォトグラファーらしいセンスの良い半ズボンとTシャツを一括○○○万円で大人買いしていました。

 

冒頭のフォトグラファー氏。普段の撮影ならスタジオにお越しの際は、大きなワンボックスにアシスタントさんや機材と一緒に乗って来られます。でも、魅せたいときは日本にまだ何台とない超高級ラグジュアリーカーでスタジオに登場されます。

 

こういったことはカメラマンとして売れてからこだわればいいのか。売れる前からこだわれば売れるようになるのか。カメラマンに聞くと、答えはその人の成功体験によって変わります。と、いうことはどちらも正解。

でも、写真や作品に関することなら話は別。売れる前からこだわらないで、いつこだわるんだって話です。

 

僕のいるスタジオでは月2回、スタッフに作品を提出してもらっています。それをこのブログと同じ「コラム」ページの「スタッフフォト」に日替わりで紹介しています。

 

各スタッフの作品紹介ページでは、トップに最新作があり、個人のホームページへのリンクをはさんで本人セレクトの自信作が数点アップされています。

 

そんな中、少なくとも月2回は作品を撮っているはずなのに、半年以上も自信作を更新しないスタッフの将来が危ぶまれます。月に数千ページビューを誇るサイトなのに、過去の写真をさらしっぱなしって。

 

大御所の言葉を借りれば、まだまだ、カメラマンになろうって気持ちが本気ではないってことですな。

 

ヤバいぞ、それ。

 

 

 

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