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しくじり人生
小学校の時、クラス替え後初めての教室でのこと。隣に座った子は、生まれつき障害のある子でした。幼稚な僕はその子に向かって「なに?お前?」と言ってしまいました。その子は悲しそうにぽろぽろ涙を流し、その涙を見て初めて僕は自分がその子を傷付けてしまったことを理解しました。
中学生の時の理科の授業で、水素をシャボン玉にして飛ばし火を付ける実験での時のこと。僕の班だけが上手く出来なかったので、周りの班の薬品をかき集め、フラスコにそれをすべて投入しました。水素はボコボコ勢いよく出るようになりましたが、今度はその勢いが強すぎて、シャボン玉ができません。そこで、フラスコから出たガラス管の先に直接線香の火をつけたら、大爆発。奇跡的にケガ人は一人も出ませんでしたが、それから間もなくして若い理科の先生は学校を辞めていかれました。
先生の最後の授業の日、僕に向かって「先生が辞めるのは、田辺くんたちのせいじゃないから気にしないでね。」と言われ、「え?田辺くんたちのせいじゃないって何のこと?」と思い、初めて「もしかして、この間の爆発のせいで先生辞めるの?」と気付きました。
高校生の時、違う高校に通う最愛の彼女がいました。ある日、駅のホームにクラスの数人といた時、反対側のホームに彼女がいることに気付きました。そこで、僕は彼女の彼氏がモテるってところを見せつけて自分がカッコいいってことをアピールしようと思いました。だから、反対側のホームの彼女には気付かないフリをして、クラスの女の子にちょっかいを出しその子と盛り上がってみせたのです。次の日僕はフラれました。
見た目は誰が見ても超絶オッサンな僕です。でも、感覚的には子供の頃からなんら変わったことはありません。それでも小学生の時に、人は生まれるにあたって自分の身体を選べないことを。中学校の時には、現象には理屈があり人には事情があることを。そして高校生の時には、愛する人への誠意の大切さを痛感しました。
振り返れば、周りには迷惑をかけ続け、何人もの人を傷つけてきた人生です。齢を重ねた今も未熟で野蛮な人間ゆえに、これからも多くの方にご迷惑をかけると思います。それでも、情けなくて、恥ずかしくて、一刻も早く記憶の片隅に追いやってしまいたくなる感情と向き合い、相手に心から申し訳なく思うたびに、ほんの少しですが真っ当な人間に近づいてこれた気がします。
犯してしまったしくじりから学び、その反省から人として成長できなきゃ、傷つけ迷惑かけた方々に申し訳ない。逃げるな、オレ。