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こころの準備

お前はすでに死んでいる。これは北斗の拳のケンシロウの決めゼリフ。

 

決して上からものを言うつもりはありません。でも、もし、面接する前から不採用ってわかっている面接があったらどうでしょう。

 

これ、僕のいるスタジオに限らないことです。就活中の方はもちろんのこと、学生の就職指導に携わる方にもお考えいただきたい問題です。このスタジオが採用に際し、たまたま変わったエントリー方法を取っていたから表面化しただけのことですから。

 

 

僕のいるスタジオでは、エントリーされる方から面接希望メールを頂くと、1週間後、2週間後、3週間後と、計3日間の候補日をご案内します。求人エントリーされた方が、その中から都合の良い日を選んでお知らせ頂くと、こちらで時間を調整し面接日時が決定する仕組みです。

 

これまで特に気にしたことはなかったのですが、最近やたらと「3週間後」を選ばれる方が増えてきたのです。そこで、試しに過去2年間の面接希望者が選択した候補日ごとの採用率の違いを調べてみました。

 

結果は僕自身も驚くものでした。

 

採用させて頂いた方の59%が「1週間後」を希望した方だったのです。残り41%が「2週間後」の方。「3週間後」を選ばれた方からは、誰一人採用していませんでした。もちろん、面接の際にこのデータを事前把握しているわけではありません。

 

この結果をどう捉えるか。

 

単に、このスタジオが「時間をかけてしっかり準備するタイプ」より「すぐに行動するタイプ」を求めているということではありません。

 

面接を近い日で希望する人は、すでに準備の出来ていた人です。採用されるかどうかはわからないけど、どちらにせよ結果が出ないことには事が進まないから、早く面接を受けたいというタイプ。

 

一番遠い日を希望する人は、自分はまだ準備が出来ていないと考える人。仮に不採用になったら、自分を否定されたようで凹む。だから、面接本番までに可能な限り準備をする時間が欲しいってタイプ。

 

でも、履歴書や写真作品を用意するのに3週間もの時間は必要ありません。準備が出来ていないのは「アピール材料」ではなく「心」のことだと思うのです。

 

履歴書に立派な文章書いたって、面接の想定問答を完璧にマスターしてきても、写真作品の構成を完璧にやってきても、心の準備が出来ていなければ面接を通してそれは見透かされてしまいます。

学生の方に特に多いこの傾向は、就活をするタイミングが世の中の都合であって自分のタイミングではないからです。卒業後の仕事を決めるということに気後れしたまま就活を乗り切らなければならない。

 

新型コロナの影響で、今就活されている学生の方はあまり学校に行っていないと見受けます。そのため、情報が入ってこないから例年より不安を抱えている方が多い。

 

だから、3日のうちどこを希望しますかと聞けば、今年は一番遠くの日を選ぶ方が例年以上に増えたと考えるのが妥当ではないでしょうか。

 

心の準備。

 

HPで高い就職率を誇る学校も、就活指導をされる方も、これまで以上に重視すべき問題だと思うのです。

 

 

 

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