• コラム

うまくいくスイッチ

MLBで大活躍中の大谷選手を見ていると、しみじみ思うことがあります。野球が上手になる努力それ自体が楽しくて仕方がないのだろうなと。だから、投げる、打つはもちろんのこと、今より良くなるための研究や練習もワクワクしながらやっているのだと思うのです。

 

以前、このブログ(「マンダラートのご紹介」)でも紹介しましたが、彼は10代の頃から心技体すべてを基礎的なところから緻密に考え、積み重ねてきました。生まれつきの恵まれた体格や運動神経に慢心することなく、上手くなるための努力を惜しまず超前向きにやってきた。その結果、本場アメリカで「優秀な選手の中の一人」を突き抜け「MLBの顔的存在」にまでなってしまったのです。

 

そんな大スターの大谷選手ですが、10年くらい前には日本の野球界に波紋を広げたことがありました。当時高校生だった彼が、卒業後は日本のプロ野球界には進まず、アメリカのメジャーリーグに挑戦したいと宣言したのです。

 

今でこそ、大谷選手に対しては誰一人それにダメ出しする人はいないでしょう。でも、当時は否定的な論調で語るメディアや野球評論家が少なくありませんでした。

 

 

確率的にいえば多くの大人たちが語るように、若い人の夢の多くはそのほとんどが潰えます。夢を美化する大人の多くは、人気狙いか、ビジネスが目的です。誰が何と言おうと、それが現実なのです。だから夢なんて追わず、地道に生きた方が良いという考え方は、時代が変わろうとあながち間違ったアイデアではありません。

 

ただ、こんなことを語る僕も、若い頃は世界の山々を制覇するアルピニストを目指したり、とにかくスゲーカメラマンになりたいなんて大それたことを考えたりしていました。

 

それから四半世紀。今の僕は、若い人のそんな想いを受けとめる立場にあります。

 

「将来は人に感動を与えられる写真家になりたい。」

 

「いずれは自分の感じたもので、人々の共感を得られるような写真を撮れるようになりたい。」

 

仕事柄、これらは僕がよく耳にする言葉です。考えてみたら、これって「高校出たらメジャーリーグに挑戦したい」と一緒。僕が応援せずして、誰が応援するのかって話です。

 

ただし、ほとんどの人は、大谷選手と違ってそのあとがいけません。夢追う人の多くは、なぜかささいな失敗を必要以上に恐れます。小さな失敗が怖いから、自分に未知なことには首を突っ込まず、以前から知っていたことだけでお茶を濁し続けます。

 

それが大谷選手のようにはなれない、とても大きな間違いなのです。

 

いつも言いますが、“失敗”はそこで終わらせてしまうから“失敗”になります。納得いく結果を求めて、やり方を工夫し何度でも再チャレンジを繰り返せば、それは単なる“試行錯誤”の中の一過程に過ぎなくなるのです。

 

大志を抱いて海外に移り住んだところで、勇気を振り絞って厳しいと言われるスタジオに飛び込んだとしても、「失敗したら凹む」から「失敗すれば学べるからラッキー!」にスイッチを切り替えない限り、耳年増、目年増、わかったつもりの皮肉屋になるだけ。時間だけが儚く過ぎていくばかりです。

 

自分の夢を成功させるつもりなら、「すべての成功者は試行錯誤を重ねてきた上に成り立っている」ということを覚えておくべきです。失敗を避けてきた成功者など、この世の中には誰一人存在しません。成功者の華麗な経歴なんてものは、消費者向けの後付けに過ぎないのです。

 

 

 

ちなみに、僕はアルピニストを目指したときも、カメラマンのときにも、スイッチを切り替えられませんでした。でも、幸か不幸かマネージャーの仕事に就いたタイミングで、そのスイッチが入ってしまいした。

 

それから27年間、失敗を垂れ流し、僕と関わる方々にはず~っと迷惑をかけ続けています。未だに成功といえるようなことは何一つ成し得ていませんが、常に失敗から学んでいるので以前よりも少しずつ良くなってきていると独りよがりに思い込んではいます。

 

そんな僕の理想。

 

それは、「地道」という生き方を選択できなかった人でも、「自分自身納得できる楽しい人生を歩める」。そのための道標を作ること。

 

国の偉い方々の理想が作った国民選別システムからドロップアウトしてしまった人でも、生きがいと幸せが得られるって証明をしたいのです。

 

まだまだ、道半ば。

 

だから、まだまだ僕に関わる皆さんにはご迷惑をお掛けすると思いますが、どうかこれからもよろしくお願いします。

 

 

 

コラム一覧に戻る