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2つ上の視点

最近、フォトグラファーのアシスタントさんが突然辞めてしまったという話を聞くことが増えています。僕は先月(3月)だけでも、アシスタントさんの不義理な辞め方を5件も耳にしました。

 

新型コロナの問題が大きく影響していることは間違いありません。感染を拡大させないための自粛は仕方の無いことですが、多くの方が自覚ないままストレスのコントロールを上手に出来ていないのだと思います。

 

 

ところで、スタジオ退社後、フォトグラファーのアシスタントになった人たちが口をそろえて言うことがあります。

 

「スタジオで学んだことなんて、20%くらいしか役に立たない」

 

人によって、10%と言う方もいれば30%と言う方もいますが、だいたいその辺り。それだけ、フォトグラファーのアシスタントは想定外のことを多く求められるということです。

 

ただ、この言葉、僕にしてみるとあまり耳触りの良いものではありません。

 

なぜなら、スタジオにいた頃、彼ら彼女たちは日々多くのフォトグラファーやそのアシスタントさんを見てきたはずです。それにも関わらず、いざ自分でやってみたら大変だったって、お前の目は節穴か!と言いたい。

 

もちろん、仕方ないことなのは理解しています。多くの人にとって学びとは、自分に求められることを通して得ていくものですから。

 

でも、スタジオを経てせっかく就いたフォトグラファーアシスタントの地位を棒に振ってしまうくらいなら、アシスタントに就く前にもっと戦略的に学んでおくべきことがあると思うのです。

それがタイトルの「2つ上の視点」。

 

例えばフォトグラファーを目指す人の立場によるステージの違いは以下のようになります。

 

「スタジオスタッフ」「フォトグラファーアシスタント」「フォトグラファー」「発注者」

 

スタジオスタッフは、2つ上のフォトグラファーの視点に立ち、その気持ちや考え方、求めているものを理解した上で、自らに必要なことを理解するべきなのです。それが「2つ上の視点」ということです。

 

その意味で「フォトグラファーアシスタント」の2つ上は「フォトグラファーへの発注者」。デザイナーやディレクターや編集者で、その方々の志向や思考を理解出来るようになるべきなのです。

 

2つ上の視点を理解出来るようになれば、1つ上の方と取り組むべきことを共有でき共に戦っていけます。その結果「ただただコキを使われている」と思っていたアシスタント業務が「自分次第」という手応えのあるものに変わっていきます。そうなればしめたもの。1つ上の方からの信頼度はがぜん上がるでしょうし、やがては自分のストレスやプレッシャーも解消されていくことになるのです。

 

あまり聞かないかもしれませんが、仕事の出来る人や上のステージに上がっても変わらず活躍している人は皆さんその視点を持っています。本人からすれば、そんなことは当たり前のことなので、わざわざ言葉にする必要もないし、当たり前すぎて自覚すらしていない人も少なくありません。

ちなみに僕の家のステージは以下のようになります。

 

「僕」<「子供」<「奥さん」

 

結婚から十数年、未だに「2つ上の視点」のわからない僕は、当然このチーム内の評価も芳しくありません。

 

 

 

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