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ある巨匠の言葉
突然ですが、自分が論理派か感覚派(直観派)か、考えたことってありますか? ちなみにフォトグラファーをはじめ、感性系技術職でやっていこうとする方に求められる頭の使い方は、論理的であるべか、感覚的であるべきか。
いきなり結論から申しますと、「両方」です。仕事という意味においては論理的思考が高い次元で求められますし、感性やセンスという意味では、感覚的能力や志向が重要です。
そんなの当たり前じゃない?と言われそうですが、あえて言ったのはフォトグラファー未満の方には結構どちらかに偏っている方が多くいると感じるからです。論理的に仕事を進められるけど写真もどこか理屈っぽいとか、感性豊かないい写真を撮るけど仕事が苦手とか。
もっと言っちゃうと、仕事はちゃっちゃと片付けるけど写真が全然つまらないとか、センスフルな写真を撮るけれど人間的に幼稚で面倒くさいとか。
実際にプロとして活躍されているフォトグラファー。男性は、ち密で大胆かつ臨機応変に仕事をこなしつつ、感覚的で素敵な写真を撮られます。女性は、女性ならではの感覚を生かしつつ、サクサクと仕事を進めていかれる方ばかりです。
言い方を変えれば、大人のような思慮分別を身につけつつ、子供のような天真爛漫さを忘れないって感じでしょうか。だからプロのフォトグラファーって、魅力的な雰囲気を持っている方が多いと思うのです。
もっとも、僕のいるスタジオからは「意味わからないんですけど。」とか「そーなるにはどうすればいいんですか?」ってスタッフの声が今にも聞こえてきそうです。
わからないことは遠慮なく質問する。その姿勢はとても素敵です。
でも、世の中は得られる情報だけですべてが理解できるわけではありません。それが言葉だろうと、映像だろうとです。
それは、得られる情報だけでなく、受け手側の自分自身にそれを受けられる土壌が出来ているかどうかという問題があるからです。
「若者のキミに伝えよう。写真は科学。撮るのは文学。」
以前、スタジオに来られた巨匠写真家が、スタッフに言った言葉です。自分の理想を求めて、もがき苦しんだ人だからこそ見出せる言葉だと思います。
だから、スタッフはもっと、もがき苦しめ。
お後がよろしくなるために。