• コラム

ようこそ、外苑スタジオへ。(Nくんへ)

 Nくん、研修期間修了おめでとう。お疲れさん。

 

この3か月、体力的にも精神的にも大変だったと思う。スタジオは時間も不規則だし、自分のプライベートな時間はなかなか取れないし、覚えなきゃいけないことは山ほどあるし、上手く出来るようにならなきゃいけないこともたくさんある。

 

その上、見て聞いたのと、実際に自分でやってみるのでは大違いで、「オレってこんなに出来ない人間だったっけ?」って落ち込んだことも多々あったと思う。

 

何はともあれ、今はすべてのカリキュラムをクリアしてホッとしているときだろう。

 

でもね、ここからが本当の意味でのスタートだから。

 

だから、今まではそのための準備期間に過ぎなかったと考えるべき。

 

その証拠に、これから1年間しっかり頑張って、これまでの研修期間で学んだことを振り返ってみれば、自分はなんてたわいもない当たり前なことで四苦八苦していたんだろうって驚くはず。

だから、今の段階で満足してしまわぬように。

 

これ以降、日々スタジオマンの経験値だけを増やすことは可能だし、そうすることで自分は成長していると感じることはできる。でも、それは錯覚に過ぎないから。

 

いくら、クオリティの高い撮影を見たからって、好きなフォトグラファーのスタジオに入れたからって、そんなものは思い出でしかないから。

 

大切なことは、今まだその存在すら知らない価値観やものの捉え方・考え方、気付いていない感覚、視点、技術…等等。それに気づき、それを意識し、こだわり、自分のものにすること。

 

そのためには、ちっぽけなプライドなんか捨てちゃって、何でも貪欲に首を突っ込み、何でも自分がやりますって手を挙げて、失敗にはメゲることなく反省分析して次からは完璧にこなすことができるよう心掛ける。

だから、失敗して落ち込むなんて、子供のやることと心得ること。失敗が嫌だからって最初から避けるようなら、この業界ではない場所に自分の居場所を探すこと。

 

そして、失敗したっていうことは、その原因を学ぶことができるチャンスと心得ること。だから、失敗したら周りには内緒でこっそり心の中でガッツポーズをすること。

 

今、恥をかかずに、いつかくのか?って常に自分に問うこと。

 

数年後、フォトグラファーになった時には、自分のブランドイメージをカッコよくするためにも、「スタジオにいた」なんて経歴は内緒にしちゃって全然オーケー。

 

今現在の、人としてはちっぽけなままの自分がカッコつけたって、ちっともカッコよくないでしょ。それより、今はなりふり構わず、ヘマして、ダサくて、失敗して、笑われてもいい。そこを通っていかないと、絶対カッコいいフォトグラファーにはなれないから。

がんばって。

 

まずは、研修クリアおめでとう。

 

ようこそ、外苑スタジオへ。

 

 

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