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近頃のオッサン
今さらですけど、僕はオッサンです。オッサンなりに、「オレが若かった頃はな、、、、」とか「まったく、最近の若いヤツときたら、、、」って言葉から始まる、説教的自慢話はNGだと心得ているつもりです。
でも、言います。
僕の世代がアシスタントやスタジオマンだった頃、時代はバブルでした。バブルだったから、景気の良い人を尻目に僕ら下働き系ポジションにいる者たちは、超下働きを強いられていた気がします。
1日1時間のサービス残業を除いても、月の残業時間は100時間超えが当たり前でした。しかも、休日は2、3日しか無かった気がします。
それでも、僕らは当時、自分の業務終了後には残ってライトテストもしていました。たまの休日には、モデルさんを呼んで作品撮りもしていました。
仲間とは飲みに行ったり、夜の六本木を徘徊したり、遊びたいときは遊びたいだけ遊んでいました。もちろん、わずかな時間をぬって最愛の彼女と会うことが、何よりもの楽しみでした。
だから、今のスタジオスタッフが、「時間がなくて、、、」というセリフで、写真や仕事にまつわる行動が出来なかった言い訳をするのを聞くと、ムカつきます。でも、面倒なのでその怒りは面に出さず、心の中で「こいつ終わってるな。」とつぶやきます。
現実的にその人は終わっています。なぜなら、本人の「意思」とは裏腹に、本人の「無意識」はすでに、フォトグラファーを職業とするための前向きな努力を拒絶しているからです。
だから、周りにも自分にも言い訳をしなければならない。所詮、そのような人は「フォトグラファーを目指している素敵な自分」というアイデンティティが保てなくなった時、次の自分が素敵と思える何かに乗り移っていくのがオチなのです。
もう一度、言います。
ご存知の通り、人に与えられた時間は平等です。あとは、その人の優先順位次第です。
一線で活躍する方々の多くが、寝る時間や遊ぶ時間、好きな人との時間やノンビリする時間よりも、仕事をする時間を優先しています。バブルやリーマン以前のアシスタントは、自分がやりたいことをやるために、寝る時間を削らざるを得ませんでした。
今どき、これを人に強制すれば、パワハラだとかブラックと言われかねないので、強制はしません。だから、最初の内は嫌々だったけど、やっていくうちにそれまで知らなかった楽しさややりがいを覚え、「精進」することを学ぶ人はめっきり少なくなりました。
情けねえやつらは、この業界から消えるまで情けないままなのが、歯がゆくも憐れむ今日この頃のオッサンです。
と、ここまで書いて、Kちゃんに読んでもらいました。察しがいいKちゃんは、僕が言いたいことを理解した上で言いました。
「んー、田辺さんの言いたいことはわかるんですけどー。でも、田辺さんが、この言葉が刺さって欲しいと願っている人には刺さらないと思います。そういう人は、この文章を読んでも、自分には関係ないって言い訳が心に浮かんできてしまうので、いくら田辺さんの言葉が辛辣でも届かないんじゃないでしょうか。」
確かに、そうかもしれません。
ぼくはKちゃんの言葉を聞いて、「民」の漢字の由来のことを思い出しました。
https://twitter.com/haruyadotnet/status/380256173569499139/
本人は自分の思う通りに生きているつもりなのだし、人に迷惑をかけている訳でもないのだから、それに目くじら立てている僕のほうこそ迷惑な人なのかもしれません。「民」のように、わからない人もいないと、この業界は成り立たないっていう負の側面もあるわけですし。。。。
って、ウソに決まってるだろー! ふざけんなぁぁぁー!!
ヤロー、目ぇ覚ませぇー!!!